みんなと"次元の謎に迫る!”を科学する
第62回サイエンスカフェ@ふくおかを開催いたしました!
サイエンスカフェ 第62回のテーマは
「次元の謎に迫る!〜空間は本当に3次元なのか〜」
3次元よりも高次の空間についてわかりやすく教えていただきました!
第62回ポスター
今回もBIZCOLIさんの素敵な空間をお借りしての開催となりました!
今回も大変多くの方にお越しいただきました。
今回の講師は、
九州大学基幹教育院自然科学理論系部門
小島 健太郎 准教授 です!
東京都生まれ、佐賀県育ち。九州大学理学部物理学科、同大学院を経て、九州大学の教員に着任。現在にいたる。主な専門分野は素粒子物理学の理論的研究。その他、物理教育研究、学習科学、教育工学などの研究にも取り組んでいます。最近はスポーツカイトに夢中になっていて、良い風の休日にはたいてい海沿いのどこかで練習してます。
左から、
九州大学基幹教育院 九州大学基幹教育院 九州大学先端素粒子物理研究センター
小林良彦特任助教、 小島健太郎准教授、 吉岡瑞樹准教授
第一部
第一部では、素粒子理論における高次元空間をイメージし理解する方法と実在可能な4次元以上の空間とはどのようなものかということについて話していただきました。
次元の数とは”位置のベクトルを表すのに必要な座標の数”に対応します。例えば、私たちが一般的によく使っている地図は二つ座標があれば地図上の位置が定まるので、2次元空間であるということになります。高次元をあらわすには座標の数を増やせばいいのですが、4次元以上の空間になると絵で表すことができなくなり、イメージすることが難しくなります。そこで、物理学者は私たちのよく知っている3次元空間を2次元や1次元のように図示することで、より高次の空間をイメージしているそうです。
素粒子理論には全ての粒子はひもでできていると考える超弦理論(超ひも理論)と呼ばれる理論があります。この理論では粒子が1次元の弦で表されるので、粒子の飛跡は弦の描く面であらわされます。また、この弦の振動の仕方の違いが粒子の性質を決めると考えられています。このような理論が正しいと考えた場合、余剰次元は必然的に存在することがわかっています。
もし余剰次元があるとしたら、なぜ私たちはそれらの高次の空間を認識することができないのでしょうか。その理由として局在化やコンパクト化が考えられています。局在化とは一部の粒子のみ余剰次元に行くことができるという考え方で、コンパクト化とは小さなスケールに余剰次元が隠れているような考え方です。これらの考え方を用いれば、私たちの直感や認識と矛盾しないような理論を考えることができるそうです。
最新の素粒子理論で研究されている超弦理論やそのときに現れる余剰次元のイメージの仕方について非常にわかりやすく説明していただきました。私たちの自然に対する認識が大きく変わるようなお話でした!
第二部
第二部でも大変多くの方に参加していただき、
高次元空間や弦理論についての質問が活発に飛び交いました。
「ブレーン(膜)は何でできているのか。」
「重力子と重力波は何が違うのか、どうすれば重力子が有るとわかるのか。」
「頭が柔らかくなるためのオススメの本や映画はありますか。」
など様々な質問があり、小島先生がひとつひとつ丁寧に答えてくださいました。
第63回 サイエンスカフェは、
「身体の中にお医者さんを送り込む!〜ナノテクノロジーで診る、治す〜」
九州大学大学院工学研究院応用化学部門
岸村 顕広 准教授
を講師にお迎えして、
ナノテクノロジーを利用した医療技術の研究についてお話ししていただきます。
2019年1月25日(金) 19:00〜21:00
BIZCOLI 交流ラウンジにてお待ちしております!!