みんなと"重力波"をつなぐ第37回サイエンスカフェ@ふくおかを開催いたしました!
第37回ポスター
サイエンスカフェ@ふくおか、第37回のテーマは「宇宙のささやきを"聞く"!〜天文学の新時代を切り開く重力波〜」です!
今回もBIZCOLIさんに会場をお借りしました。
参加者は、なんと49名!大盛況でした!!
お子様の参加もありました。
来て頂いた皆様、ありがとうございました。
今回の講師は、九州大学基幹教育院の佐合 紀親 助教です!
講師の佐合助教(右)と司会の吉岡准教授(左)
佐合 紀親博士のプロフィール
岐阜県は美濃地方から出て、京都、大阪等を行ったり来たりした後、4年ほど前に福岡に参りました。福岡は良い所ですね。青魚がおいしいのがとてもうれしいです。「重力波に関する研究をしています。」というと、聞こえは壮大で華々しいですが、実際やっているのは冗長な式や数値データを使った泥臭い計算です。しかし、その成果が将来の重力波天文学の礎になることを信じて、日々精進しております。
〜重力波って何?〜
重力波とは質量を持った物体が加速度運動をするときに放出される、重力の「波」です。
重力波は空間の歪みとして検出することができます。しかし、その歪みはとても小さく、太陽と地球の距離(約1.5億 km)が原子(約0.1 nm)程度しか変化しません。そのため、これまで重力波を直接検出することは出来ませんでした。
重力波を検出する実験は1960年代から始まりました。当初は共振型と呼ばれる検出器が主流でした。レーザーを用いて空間の変化を検出するレーザー干渉計と呼ばれる検出器が現在の主流となっています。2015年9月14日に、LIGOグループが重力波の直接検出に世界で初めて成功しています。
〜今回の初検出のスゴいところ〜
LIGOで検出したのは、2つのブラックホール(ブラックホール連星)が衝突して放出された重力波です。ブラックホール連星の存在を証明したことも世界初の快挙です。また、重力波の情報を得られたことで、人類は新たな「目」を手に入れました。これまで観測不可能だった天体事象も観測できると期待されています。LIGOの成果は重力波を用いた重力波天文学の幕開けと言えます。
2016年には日本のKAGRAが試験運転を開始しています。日本でも重力波の検出が期待されています。今後の展開に注目です。
重力波と音波は性質が全く異なりますが、
今回LIGOで検出された重力波を「音」に変換した場合はこのように聞こえます。
〜重力波を語らう〜
講演後の座談会でも質問が止まりませんでした。
「重力波検出のニュースが出てきたときのお気持ちは?」
「次世代の重力波検出実験はどのようなものになるのでしょうか?」
などの質問がたくさんありました。
〜次回のサイエンスカフェは?〜
「磁石の謎に迫る!〜ナノテクで切り拓く磁石の世界〜」
九州大学理学研究院物理学部門の大西 紘平 助教を講師にお迎えして、
身近だけれど実は知らない、磁石の謎に迫ります!!
2016年5月27日(金)19:00から、
BIZCOLI 交流ラウンジにてお待ちしております!
お申し込みはこちらから!
(中居)