みんなと"生命の仕組み"をつなぐ第35回サイエンスカフェ@ふくおかを開催いたしました!
第35回ポスター
新年最初のテーマは「人間の設計図を紐解く!〜物理学が切り開く生命の仕組み〜」!
今回は物質と生命の境界に迫りました!
会場はBIZCOLIさんの素敵なラウンジをお借りしました!
なんと、定員超えの大盛況!
たくさんの方に足をお運びいただき、ありがとうございました!
満員御礼!!
今回の講師は、九州大学先導物質化学研究所の龍崎 奏 助教!
研究の内容にとどまらずビジネスについても明快に説明していただき、
龍崎博士の知識の広さがうかがえました!
司会の吉岡博士(左)と講師の龍崎博士(右)
龍崎 奏博士のプロフィール
千葉県船橋市出身。83年生まれ、家族の影響で物理が好きになる。核融合の研究がやりたくて東京工業大学の原子核工学専攻を受験するも、院試の成績が悪くて希望した研究室には配属されず、光合成を模倣した太陽電池の研究に従事。しかし、これがターニングポイントとなり生物の凄さに魅了され、今に至る。2014年1月から九州大学にて助教として勤務。福岡に来てから豚骨ラーメンを食べ過ぎて体重が気になる今日この頃。お気に入りは西新の海豚屋。
〜生命のしくみに迫る!〜
水素、炭素、窒素に酸素。
私たち生物は、こんなありふれた材料からできています。
それでは、”生命があるもの”と”そうでないもの”の違いは一体何なのでしょうか?
その境目を知るにはまず、生命の仕組みについて知る必要があります。
今回は、物理学の視点から”生命”にアプローチしていきます!
みなさんは、染色体とは何か、覚えてらっしゃいますでしょうか。
染色体はDNAの鎖がタンパク質に巻きついたもので、私たちの体をつくるための情報をもっています。
そのため、生命の情報にはDNAとタンパク質の2通りからアクセスすることができます。
今回はその最先端の手法についてお話ししていただきました!
・その1:DNAの塩基配列を調べる!
DNAは、A,T,C,Gの4つの塩基が結合してできています。
これらの塩基はそれぞれ電流の通しやすさが違うため、電流を測ることによって識別することが可能です。
実際には、紐状にほどいたDNAを小さな電極のあいだに通して測定を行います。
DNAの直径は1ナノメートル。
DNAをほどいたり、ナノサイズの電極を用意するために、高い加工技術が用いられています。
高い繊維加工技術の例:ナノトイレ(日本)
参照:http://www.zyvexlabs.com/EIPBNuG/EIPBN2005/2005.html
・その2:タンパク質の構造を調べる!
通常、タンパク質の構造はX線を使って調べられています。
しかし、タンパク質の単体を用意するのは大変。
さらに、タンパク質は実際に私たちの体の中では体液の中に存在しているため、液体中でのふるまいが重要となってきます。
そこで、液体中で電流を測ることによってタンパク質の構造を調べる、新しい方法が考案されました。
この方法では、電解質溶液(電気を通す溶液)の中でタンパク質を直径1マイクロメートルの穴に通して、イオン電流の変化を測ります。
このとき、通過する物体が大きいほど電流が流れにくくなることが知られています。
つまり、電流値の減り具合から通過する物質の構造を決めることができるのです。
これにより、ナノ材料の形状を調べることが可能になりました。
今後はより小さくて複雑な構造を調べていくことが課題だそうです。
〜未来予想図(医療への応用)〜
将来的には、これらの技術を用いて以下のようなことが実現できると期待されています。
DNAの技術
タンパク質の技術
このように研究は、関連するいろんな技術の進歩や、人々の健康な生活へとつながっているんですね。今後の発展に胸が高まります!
〜「生命」を語らう〜
講演後の座談会も多くの方が参加し、たくさんの質問が投げかけられました。
「つまるところ、物質と生命として機能するもの違いは何なのか?」
「そもそも生命はなぜ子孫を残したがるのか?」などなど。。
ほとんどの方が質問され、非常に良い雰囲気でした。
(中には握手を求める小さなお客様も…♪)
座談会の様子
〜3月のサイエンスカフェは?〜
「アロマテラピーは科学だ!〜香りのパワーと抽出技術に迫る〜」
講師に福岡大学工学部化学システム工学科の根路銘 葉月 助教をお迎えして、
アロマテラピーの歴史と科学、抽出の最新技術に迫ります!
3月11日(金)19:00から、BIZCOLI交流ラウンジにて開催いたします。
みなさま、是非ともご参加ください!
お申し込みはこちらから!
(森下)