第56回サイエンスカフェ@ふくおか 活動報告

みんなと"磁性ゴムの謎"に迫る

第56回サイエンスカフェ@ふくおかを開催いたしました!

 

サイエンスカフェ 第56回のテーマは

「磁性ゴムの謎〜柔らかい動きと4次元プリンタ〜」

柔らかい磁石の面白さについてお話ししていただきました!

 

第56回ポスター

 

BIZCOLIさんの素敵な空間をお借りしての開催となりました!

 

今回も満員!毎度ありがとうございます!

 

いつもありがとうございます!

 

 

今回の講師は、

九州大学大学院工学研究院機械工学部門 津守不二夫 准教授です!

  

磁石のはたらきを、私たちの見えるところから見えないところまで、

図や映像を用いてとてもわかりやすくお話ししていただきました!

津守 不二夫准教授 のプロフィール

 

下関出身、大学では金属工学を専攻、中でも金属やセラミックス粉末材料を利用した

「ものづくり」を研究してきた。研究を続けるうち、やわらかい材料にも目覚め、磁性ゴム

材料はいまや主軸テーマのひとつ。最近は身近なものから学ぶべきものがたくさんあることを実感。とくに「いきもの」に着目した磁性ゴム材料の活用法を模索中。

 

 

~磁石の力~

皆さんは磁石が3つの力を持っていることをご存知でしょうか。

1つは引っ張る力です。これはものの性質によって引き合うか反発するか大きく変わる力です。

2つは並べる力です。磁石をたくさん並べるとお互いがくっついて一直線になろうとします。

3つは回す力です。磁場の向きを変えると磁石は回り出します。床の摩擦を活かせば、回し

ながら移動させることも可能だそうです。

 

~磁性ゴムとゾウリムシ~

この三つの力をうまく活かして、津守先生はゾウリムシの動きを模倣しました。

微生物の存在するとても小さな世界は、とてつもなくネバネバしていて普通の生物なら全く

進めないような世界です。しかし彼らは進むことができます。それは繊毛(せんもう)と呼ばれるゾウリムシの体毛が織りなす、一見バラバラに見える三次元的な動きのおかげだそうです。

先生はこれをゴムを用いた柔らかい磁石、磁性ゴムを作って調べました。磁力を使ってこの

ゴムの動きをゾウリムシの繊毛のようにした方が、ゴムが整った動きにするよりも16倍も

効率よく進むことができるのがわかったそうです。

先生はこれらの不思議な動きの生き物を磁性ゴムで今後も模倣して、そのノウハウを社会に

活かそうとされています。とても素敵で興味深い研究ですね。

 

~5次元プリンタ!?~

先ほどの繊毛を真似た磁性ゴムは、なんと先生が開発中の5次元プリンタで作ったものだそうです。4次元どころの話じゃありませんね!

5Dプリンタは、3Dプリンタが持つx,y,z,の3つの方向に、2つの回転軸θ,φを合わせた5つの方向に対して、磁力を使って自由な動きができるというものです。これにより、3Dでは出来なかった、硬い樹脂を積層しながら柔らかいゴムも組み合わせたモデルを一緒に作ったりする

ことが可能になるのだそうです。未来ではいろんな素材を組み合わせた複雑なものも、

5Dプリンタで簡単に作ることができるようになっているかもしれませんね。

 

 

講義の後は恒例の先生とのフリートークです。

磁石と反発する水から、今日話されていた磁性ゴムまで様々な磁性を持つものと触れ合いながらの楽しいひと時になりました。

 

「この研究で将来何が作れるようになるのか」

「電気ではなく磁石で物を動かすことのメリットは何なのか」

 

など様々な質問が飛び交い、今回も非常に活発な時間となっていました。

 

皆さん興味津々でした!

 

〜次回のサイエンスカフェは?〜

 

 

「CGの謎に迫る!」

〜ちょっと変わったCGのこと〜 

 

九州大学大学院・芸術工学研究院 森本有紀 助教を講師にお迎えして

芸術工学に関するCG関連の最近の話題などをお話ししていただきます! 

 

 

2018年6月22日(金) 19:00から

BIZCOLI 交流ラウンジにてお待ちしております!!

 

お申し込みはこちら 

(牧瀬)