第28回サイエンスカフェ@ふくおか 活動報告

みんなと”超伝導”をつなぐ第28回サイエンスカフェ@ふくおかを開催しました!

活動報告が大変遅くなってしまい、申し訳ありません。

 

第28回ポスター

サイエンスフェ@ふくおか、第28回目のテーマは「超伝導技術で拓くグリーンイノベーション〜体験してみよう超伝導の世界〜」です。今回は超伝導迫ります!!

 

今回も会場はBIZCOLIさんでした!

たくさんの方に来ていただきました。ありがとうございます!

今回の講師は九州大学大学院システム情報科学研究院木須隆暢博士です!

前半の講義では、基本的な説明から最近の話まで幅広く説明していただきました。さらに後半では、皆さんの目の前で実際に超伝導の実験をして頂きました!

講師の木須隆暢士(左)と聞き手の素粒子実験研究室 吉岡博士(右)

木須博士のプロフィール

1991年九州大学院博士課程修了。1990年日本学術振興会特別研究院、1991年九州大学助手、1996年同助教授、2007年同教授、現在に至る。産業用超電導線材・機器技術研究組合(iSTERA)主管研究員兼務。1999年Wisconsin大学訪問研究員、2000年Twente大学訪問研究員。この間、超伝導薄膜、SQUID磁気センサ、超伝導材料の臨界電流特性に関する研究などに従事。2006年、2015年超伝導科学技術賞(未踏科学技術協会)受賞。ICEC Board Member、ASC Board Member、低温工学・超電導学会国際交流委員会委員長、応用物理学会超伝導分科会幹事長。電気学会、MRS、IEEE各会員。工学博士。

今日のテーマは「超伝導」です。最初は講義があり、超伝導の基礎から最先端の話まで大変わかりやすく説明していただきました。


超伝導とは、簡単に言うと電気抵抗がゼロになる現象のことであり、その性能は、電流密度、磁界、温度の3つで決まります。現在は超伝導物質を使った様々な材料も開発されており、例えば、超伝導物質をパイプに詰めて線状にした線材が開発されています。この線材は、将来的には身の回りの電線に使用するために研究が進められています。今は試験段階で、高電圧、高電流の交流の電流も流すことができるようになってきていて、超伝導を保つための冷却技術も進んでいるそうです。私たちの家庭に超伝導線材を使って電気が供給される日も近いかもしれません・・・!!



そして、後半はお楽しみの超伝導についての実験!!

超伝導の特徴的な現象であるマイスナー効果の実験をしてくださいました。


左の写真は液体窒素をかけて超伝導体を冷やしている最中、右の写真は磁石に対して超伝導体が反発して浮いている状態



写真では少しわかりにくいですが、超伝導体に対して磁石が浮いている状態になっています。なぜこのような現象が起きるのでしょうか・・・?


マイスナー効果とは、簡単に言うと超伝導体の磁場がゼロになることです。磁場がゼロになった超伝導体は磁場が変化するのを嫌います。このとこから、超伝導体の上に磁石を近づけると、磁石から下向きに出ている磁力線を消す為に、超伝導体は逆である上向きの磁力線を作り出します。その結果、磁石に対して反発する力が生まれるので、磁石が反発を受けて浮くという現象が起きるのです。


下の写真は、下の容器の中に電磁石が置いてあり、その上に高温超伝導コイルを使ってマイスナー効果の実験をしているところです。上記の超伝導体と磁石の例で、上下逆にした説明が右下の図になります。


左の写真は高温超伝導コイルを使ったマイスナー効果の実験、右の図は左の写真で起こっているマイスナー効果について簡単に説明した図




実験中は1つに机に皆さん注目して、磁石が浮く瞬間には歓声が上がったり、手袋をつけて実際に磁石に触れて更に驚きを味わったりなど、大変盛り上がっていました!


そして、実験後の質問タイムでは、実験中に気になっていたことや、超伝導の未来についての質問がたくさんされていました!


超伝導の研究は現在様々な機関で進められており、私たちの身の回りに超伝導体が使われる日もそう遠くはないかもしれませんね。これからの技術の進歩に期待したいです!!

(大倉)